吉野・金峯山寺の歴史のなかで、大峯千日回峰行を戦後初めて満行された
柳澤眞悟大阿闍梨様のお言葉をお伝えする連載、最終回をお送りします。
※大峯千日回峰行とは…奈良県・吉野山の金峯山寺蔵王堂から大峯山上ヶ岳
(標高1719メートル)にある山上蔵王堂までの山道を、往復48キロ、
山上蔵王堂の戸開期間中143日の間、1日も休まず歩き続け、8年かけて満行
する行のこと。

「たぶん前世はあると思います」大阿闍梨・柳澤眞悟師
― 千日回峰行の前と後では、護摩焚きの力は違いますか?
柳澤師:「全然違います。千日回峰行の後もさまざまな行を行っておりますから。その後の行の方が役に立っています。たとえば密教の印を結ぶとか声明ですね。音楽のようなお経ですが、お唱えしているなかである種の精気レベルの波動を感じるんですよね。平成元年にそれを感じ始めてから24年ほど過ぎていますが、自分自身の修業の基本になっています。なぜなのかは分かりませんけれど、仏様がそういうものを与えてくださっているのではないかと思います」
―今も、山を歩かれているのでしょうか。
柳澤師:「歩きますね。今は密教の行ばかりですが、朝は4時に起きて金峯山寺へ行き、または成就院自坊において、5時から9時くらいまでは毎日決まって行じています。おおよそ2~4時間は密教の行。声明の詠唱は1~2時間位。やらないことには私は一日一日を送っていけないので」
― それをやらないでいると、精神的にも一日を過ごせないのでしょうか。
「身体の精気レベルの波動のコントロールですよね。ご祈祷は現世利益をもたらすものですが、現世利益のものだけではなく、その奥にはかり知れないものがある。なにしろ続けないといけない。やめてしまえば段々とその波動も消えてなくなってくる。するとただ形だけ拝んでも駄目なのです」
― 日々続けていると、力が増長するのを感じられますか?
柳澤師:「そうですね。最終的には波動が身体を完全にコントロールしたら、ある種の覚醒の状態になることがあるのではないかと思います。いつになるかというのは分かりませんが、そういう実感があります。お釈迦様の悟りというのは、もっともっと深遠で、私はまだまだその入り口にも至らないでしょうが」

― そのように感じられるのはここ最近ですか?
「波動を意識し始めたのが平成元年です。大峯山の「笙の窟(しょうのいわや)」に百日間こもって認識できたわけです。窟のなかは、電気も何も、現代文明のものは一切ない。飲み水は、岩から浸み出しているのがありますが、ご飯はそば粉を練って食べる。20キロくらいは痩せますよね。精神的にも大変で、やめたいとは思いませんでしたが、1日が1週間くらいに思えるのです。そこに100日間こもって密教の諸尊供養法と読経を毎日9時間ほど拝みます。そのなかで波動というのを感じました」
― 生命はどこから来て、どこへ行くとお考えでしょうか。
柳澤師:「輪廻転生ですね。六道輪廻とかいろいろありますけど。たぶん前世はあると思います。いつの時代から人間になったか分からないし、人間になる前は動物だったのかも分からない。どういう風に進化して今の姿になったのか、これから先どうなっていくのか分からないですが、生命は壮大な生命の営みのサイクルのほんの一コマ。だから仏教では解脱(げだつ)を言うんですよ。輪廻のサイクルから外れることが解脱。お釈迦様は悟りを開いたから解脱した。だからあまり動物的に欲望だけに生きているような人はよくありませんよという教えですよね。そういうところから段々と離れなさいよという。最終的には皆、解脱に向かって生きているんですよ。今世でできなくても、修行の場を与えられて生きているようですね」
~了~
【 柳澤眞悟師 講演・ワークショップ概要 】
◆無料講演「身体の活性化につながる生活法」
日時:3月25日(日)11:30~12:30
場所:第4講演会場
◆有料ワークショップ「心を静める呼吸法」
日時:3月25日(日) 14:30~15:30
料金:3,000円
※柳澤師のワークショップの料金は、すべて成就院様に寄付させていただきます。
詳しくはコチラ>>
http://www.a-advice.com/osaka/guest/detail/?id=3401401794ef2d90aa8b8f